第16回
箸川柳大賞発表

第16回箸川柳には4,317句の投稿がございました。
今回も大勢の方よりご応募いただき、ありがとうございました。
兵左衛門社内での厳正なる審査の結果、大賞以下各賞が決定いたしましたのでここに発表いたします。

第16回箸川柳大賞
いだてんも五輪舞台にいざ八四郎
和歌山県「ペンネーム/おたやん」さん(64歳)

評/「いだてん」は、今年の大河ドラマだが、いよいよ来年の東京五輪も近づいてきた。「八四郎」と「走ろう」の字響きで構成されたこの句は、五輪を舞台とするマラソン競技も「いざ」だが、それを見に行く観客も弁当とともに携帯箸「八四郎」を持参しての観戦も「いざ」…といった風景が見えてくる。
まさに迫りくるワクワク感が箸をテーマにした作品として生み出された。

大賞賞品/箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット
優秀賞
新しい箸と令和の門出をす
群馬県 峯岸さん(53歳)

評/新元号を機に新しい箸に替えるといった句は多く見られたが、「令和の門出」と捉えたこの作品は、単なる報告の句を超えて作者の意志が伝わってくる。新しい時代に箸で摘ままれるものは、希望であろうか、夢であろうか。楽しみである。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット
優秀賞
新元号日本中の箸を止め
愛知県「ペンネーム/さごじょう」さん(36歳)

評/かたずをのんでテレビの画面を見たのはもうずいぶん前のように感じるが、新元号の発表の瞬間には、時計も止まったように思えた。ちょうど昼時。「日本中の箸を止め」という捉え方が、その瞬間の気持ちを映像化する。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット
優秀賞
孫叫ぶOK Google箸づかい
埼玉県 見澤さん(67歳)

評/今は何でも「OK Google」。親子や爺孫のコミュニケーションの一環として箸の上げ下ろしなど伝えてやろうとすると、孫は慣れた句調でAIに指示。ちょっとばかし温みが遠くなるのを感じながらも、時代の利器へ目を瞠るのは年寄りの方。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット
優秀賞
写真より人映しだす箸使い
東京都「ペンネーム/汐海 岬」さん(46歳)

評/最近の写真は、目に見えないような皺まで映し出すが、その奥の人間性はなかなか映らない。ところが、食事の箸遣いをちょっと見れば、その人の半生や性格まで滲みだすことも。叩かれながらでも箸の持ち方を習って良かったのかもしれない。

優秀賞賞品/箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット
特別審査員 近藤珠實 賞
神代から令和へ続く箸文化 東京都「ペンネーム/ハルル」さん(65歳)
評/「箸」が日本の文化の代表的存在であること、また箸に対する感謝の気持ちが表現されている句ですね。
近藤珠實(こんどうたまみ)氏
『清紫会』新・作法学院学院長。
作法をより現代社会にマッチしたものとするため、新作法「清紫会」を結成。
新・作法学院で生徒指導の傍ら、テレビ、講演、執筆、社員教育などで活躍中。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+近藤氏の著書

特別審査員 三田村有純 賞
国際化箸が世界を引き寄せる 千葉県「ペンネーム/嵐山」さん(59歳)
評/日本の箸は世界一使いやすく美しいのです。日本の文化発信をお箸からしたいと思います。
三田村有純(みたむらありすみ)氏
東京藝術大学美術学部 参与 名誉教授。
日展評議員・日本現代工芸美術家協会評議員。
日本漆文化研究所副理事長。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸+著書

特別審査員 尾藤川柳 賞
片恋が箸の進みを遅らせる 東京都「ペンネーム/しろくまラテ」さん(17歳)
評/十七歳、オトメの女心。時事や表面的笑いを描く川柳が多い中、ある時期の人間の心理を捉えた作品。等身大の思いが、箸を使う一コマの場面として映像化されている。今年は、こんな句を推薦したいと思った。
尾藤川柳(びとうせんりゅう)氏(十六代目 櫻木庵 尾藤川柳)
1960年東京生まれ。十六代目の櫻木庵川柳。
女子美術大学特別招聘教授、早稲田大学エクステンションセンター川柳講座講師、
川柳学会専務理事、「川柳はいふう」主宰。
発祥以来260年、人々の中に生きた文芸としての川柳発信を行いながら、
川柳文化の継承を担っている。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

特別審査員 兵左衛門会長 賞
令和来る箸と姿勢を正す朝 奈良県 中川さん(55歳)
評/令和という新しい時代にも、日本人にとって箸は無くてはならない身近なものであり、同時にどこか背筋の伸びる厳かな存在であることを願います。
株式会社兵左衛門会長 浦谷兵剛
1945年福井県生まれ。
長年にわたって箸のもつ奥深さ・文化性を唱え、各地で啓蒙活動を重ねる。保育園や小学校でのお箸知育教室を展開、父母・教育機関からも注目を得る。ボランティア活動として、「阪神・淡路大震災」「三宅島火山噴火」「東日本大震災」など災害被害者の人々に箸を寄付。箸文化認知を高めるため日枝神社の箸感謝祭に協力。アオダモ(バットの素材)の保護育成運動に参加。これらの活動が認められ、日本文化振興会より「社会文化功労賞」を贈られる。

賞品/受賞された方の名前を入れたお箸

入選※順不同
  • おしゃべりと箸が止まらぬ女子の旅 福島県「ペンネーム/やんちゃん」さん(58歳)
  • アプリでも修正できぬ箸使い 東京都「ペンネーム/むーむー」さん(37歳)
  • ストローに続けと箸も脱プラ化 東京都 田崎さん(72歳)
  • 10連休ママと箸にも休みくれ 大阪府「ペンネーム/だいちゃんZ!」さん(43歳)
  • お受験に箸にもつけた滑り止め 奈良県「ペンネーム/ひろさん」さん(25歳)
  • ようこそと新元号に新お箸 東京都「ペンネーム/ルッコラ」さん(39歳)
  • お試しの期間が欲しい彼と箸 福島県「ペンネーム/ほり・たく」さん(46歳)
  • いつまでも私のお箸がある実家 栃木県「ペンネーム/宮のふみ」さん(47歳)
  • 入れ違いパパへキャラ箸包む朝 岐阜県「ペンネーム/もうもうたん」さん(37歳)
  • おはしもね人と一緒で支えあう 広島県 則武さん(7歳)

入選賞品/兵左衛門の人気のお箸を差し上げます。

佳作※順不同
  • 新しい世に新しい箸を買う 東京都 小畑さん(72歳)
  • おもてなしお箸で繋ぐ世界の輪 長崎県「ペンネーム/くるみ」さん(14歳)
  • パスポート箸も必須の旅の友 神奈川県「ペンネーム/楽居」さん(82歳)
  • 菜の花を箸置きにしてピクニック 千葉県「ペンネーム/七転び八起き」さん(60歳)
  • お祝いの夫婦箸持ち照れ笑い 東京都「ペンネーム/つべる」さん(26歳)
  • 孫の背と箸は嬉しい伸び盛り 埼玉県「ペンネーム/あまた」さん(55歳)
  • マイ箸で馴染みの店をはしご酒 福島県「ペンネーム/お酢」さん(56歳)
  • リハビリの箸で希望をつかむ母 茨城県 海老原さん(64歳)
  • はし文化令和へつなぐ橋渡し 岩手県「ペンネーム/どぶろく左衛門」さん(26歳)
  • はしばしに職人技の兵左衛門 岐阜県「ペンネーム/よっさん」さん(66歳)
総評
「箸川柳」も平成を越えて令和へ。脈々と続く皇室文化とともに日本人の生活の身近なところにずっと存在し続ける箸文化も、神代から続いてきた長い伝統の一つであろう。
その箸を通して時代を見詰めているのが「箸川柳」だが、今年もまた、時代の空気を捉えた作品が生まれた。
五輪や令和といった時事句にまじり、風俗を捉えた作品が優秀句となった。そんな中、人間の見えない部分(心理)を目に見える形にして見せた文芸性の香り高い作品も生まれてきたことを嬉しく感じながら評を描いている。 特別審査員/川柳家 尾藤川柳

第16回箸川柳大賞にご応募いただいた皆様、誠にありがとうございました。

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