第13回箸川柳大賞発表

箸使い　あいつヤバイは　褒め言葉

奈良県「ペンネーム／ひろさん」さん（23歳）

講評／「サツだ、ヤバイ、逃げろ…」とか「ヤバイ、セン公が来た」などといった「ヤバイ」の用法も世代が変われば肯定的な意味合いに…。流行語や時流のコトバを生かすことは、公募川柳にとって重要な要素。箸というテーマから、こんな捉え方が出来たのも、作者のしっかりとした目が効いているからでしょう。今年は、同想の句もありましたが、選考会の皆さんが選んだこの句は、これはこれでよくできています。

大賞賞品／箸職人が作るオリジナル（大賞川柳入）の携帯箸「八四郎（はしろう）」セット

優秀賞

大トロも　遠慮はしない　孫の箸

千葉県「ペンネーム／つくも」さん（50歳）

講評／親には遠慮があっても、祖父母には遠慮しない孫。それは、心の距離でもあるのでしょう。直接の利害を離れた身内ならではの心理が見えてきそうです。こんなお孫さんはかわいくて仕方ないでしょう。

優秀賞賞品／箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

優秀賞

遠足の　箸は音符を　摘まんでる

鳥取県「ペンネーム／俊一郎」さん（59歳）

講評／楽しさを摘まむ箸。こんな捉え方ができるのも川柳ならではの表現です。音符という象徴は、遠足の楽しさから、お弁当のおいしさ、さらには、心の楽しさまでもが感じられてきませんか。句の意味の奥に感じられる心理が魅力です。

優秀賞賞品／箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

優秀賞

真っ直ぐな　箸から育つ　素直な子

山形県「ペンネーム／しめじ飯」さん（65歳）

講評／いかにも「箸川柳」らしい一句。真っすぐでない箸は、使いにくいものですが、子供も箸のように真っすぐなら、道は自ずと拓くでしょう。箸と子供の関係から、箸でそだった和の心が、背景に見えてきます。

優秀賞賞品／箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

優秀賞

いただきます　合図と共に　おどるはし

東京都　佐藤さん（12歳）

講評／箸が踊るほどの食事時。この家庭の温かさや人間関係までもが句のコトバの間から見えてきます。育ち盛りの12歳。楽しくて仕方ないこの時間が、十七音から垣間見えるジュニアの作品。今後の活躍が楽しみです。

優秀賞賞品／箸職人が作る優秀賞川柳入り箸セット

• 箸使い　うるさく言ったら「じじ、キライ」 島根県　角森さん（48歳）
• 八四郎を　贈られオバマ　日本つう 大阪府「ペンネーム／泉州のみずなす」さん（65歳）
• ぎこちない　箸がばらした　恋心 愛知県「ペンネーム／さごじょう」さん（33歳）
• 箸マナー　これも日本の　お・も・て・な・し 東京都　細谷さん（13歳）
• お箸持ち　命に感謝　いただきます 東京都　小川さん（13歳）
• 箸使い　良縁までも　たぐり寄せ 神奈川県「ペンネーム／チョップ丸」さん（56歳）
• 名入り箸　二膳そろえて　喜寿と古希 神奈川県　柴山さん（73歳）
• 見合い前　持ち方ググり　猛特訓 兵庫県「ペンネーム／にゃんでし」さん（41歳）
• 似たくない　父に似てきた　箸使い 広島県「ペンネーム／みかど」さん（64歳）
• 菜箸に　日々染みていく　母の味 茨城県「ペンネーム／いと」さん（29歳）
• 美しい国に　息づく箸供養 神奈川県「ペンネーム／きなこ」さん（65歳）

入選賞品／兵左衛門の人気のお箸を差し上げます。

• 優雅なる　箸へフォークの　I LOVE YOU 埼玉県「ペンネーム／ふうたん」さん（65歳）
• 義母が来る　滑り止めする　箸と口 大阪府「ペンネーム／逆ペリカン」さん（33歳）
• 孫の名が　キラキラしている　祝箸 滋賀県「ペンネーム／PON5」さん（42歳）
• 和の心　はしでつないだ　賢島 静岡県「ペンネーム／黒耀舎」さん（47歳）
• キャラ弁の　美技もお箸が　あってこそ 奈良県「ペンネーム／めるも」さん（49歳）
• MY箸が　好みも味も　知り尽くす 東京都「ペンネーム／黒潮」さん（69歳）
• インスタで　バレる　女優の握り箸 広島県「ペンネーム／かなぶん」さん（32歳）
• 化粧では　隠しきれない　箸遣い 兵庫県「ペンネーム／汐海 岬」さん（44歳）
• 上げ下げに　うるさい祖母に　感謝ナウ 東京都「ペンネーム／しろくまカフェテリア」さん（14歳）
• ピーマンを　上手にはじく　孫の箸 大分県「ペンネーム／蒼い朱鷺」さん（58歳）
• 洋食化　今こそ磨く　箸使い 三重県「ペンネーム／ボヤ」さん（17歳）