第20回箸川柳大賞

2025年4月1日~6月8日まで公募を行った「第20回箸川柳公募」には、2,777句の応募をいただきました。

兵左衛門社内での厳選なる選考の結果、大賞ほか、各賞が決定いたしました

各賞の選評は十六代尾藤川柳氏にお願いいたしました。

第20回箸川柳 大賞
人生も所々で箸休め
大阪府/逆ペリカンさん(42)

何気ない一句ですが、読んで噛み締めるととても深いものが伝わってきそうです。句の中に「箸休め」という言葉がありますが、目の前に見える客観的な食事における箸休めということを通して、こころの内側の見えない部分である「人生の箸休め」ということが伝わってきます。日常の所作の中に重なった心の世界。さすが大賞ですね。

賞品:箸職人が作るオリジナル(大賞川柳入)の携帯箸「八四郎(はしろう)」セット
優秀賞
ピーマンを器用に避ける孫の箸
広島県/黒飛さん(80)

賞品:箸職人が作る優秀賞川柳入りけずり箸
優秀賞
思い出と箸を残して子は巣立ち
神奈川県/ほのぼのさん(79)

賞品:箸職人が作る優秀賞川柳入りけずり箸
特別審査員 16代川柳 賞
箸と首 長くして待つ備蓄米 静岡県/名月パンダさん(-)
令和の米騒動と言われた今年、「備蓄米」の放出は、庶民にとっても米が買える幸せということに気付かされました。瑞穂の国で当たり前だったことが、にわかに不自由さを感じる事も起こり得る現実がここにあります。首だけでなく、箸までも長くなってしまいそうという気分が巧く表現されました。今年は、米絡みの句が多かった中の私の好きな一句です。
十六代尾藤川柳
十六代尾藤川柳
1960年東京生まれ。十六代目の櫻木庵川柳。
女子美術大学特別招聘教授、「川柳はいふう」主宰。
新聞川柳欄選者、各種公募川柳選者を務めるかたわら、YouTubeに川柳の番組「RyuTube」を放送するなど発祥以来260年、人々の中に生きた文芸としての川柳発信を行いながら、川柳文化の継承を担っている。

賞品/箸職人が作る川柳入りけずり箸

特別審査員 兵左衛門社長 賞
ミスターの訃報に止まる父の箸 山梨県/公務員さん(44)
私の父も長嶋さんの大ファンで野球に取り組み、私もかっとばし‼関連でパーティーに参加した時にお会いした、長嶋さんのスマートな佇まいに心奪われました。今年を象徴する残念なお知らせですが、私の心情を表した句でした。
兵左衛門社長 浦谷剛人

賞品/箸職人が作る川柳入りけずり箸

入選※順不同
  • 災害用カバンに非常食と箸 兵庫県/やすよさん(42)
  • いつの間に「ハシ」は世界の共通語 千葉県/日向さん(65)
  • 映えよりも飾らぬ箸のおもてなし 大阪府/健幸ママさん(60)
  • 箸の数減って実感子の巣立ち 愛知県/さごじょうさん(42)

入選賞品/兵左衛門の人気のお箸を差し上げます。

佳作※順不同
  • 争いの火種も箸で掴めたら 東京都/汐海 岬(52)
  • コメがない箸が泣いてる食べ盛り 宮城県/アルサプアさん(77)
  • べらぼうな米の値段に箸震え 神奈川県/つべるさん(32)
  • 新米も古米も箸は差をつけず 東京都/まこっちゃんさん(78)
  • AIに説教される箸マナー 大阪府/だいちゃんZ!(49)
  • 八四郎を供に孤独のグルメ旅 千葉県/ほり・たくさん(52)
  • 3食を頂く箸に感謝する 東京都/ハルルさん(71)
  • つまみ食い抜き足差し足忍び箸 岡山県/岩中さん(49)
  • リハビリで豆と希望を掴む箸 静岡県/コナガヤマックさん(53)
  • 手にスマホ ポテチは箸で食う時代 東京都/あおちゃんさん(52)
  • 肌よりも箸で感じる旬の味 福島県/やんちゃんさん(64)

佳作賞品/兵左衛門の人気のお箸を差し上げます。

総評
日本人の生活の中でごく身近な箸をテーマにしたといっても、川柳では、ニンゲンが描き出されます。「箸休め」という言葉がありますが、目の前の食事における箸休めと言う存在を通して、「人生の箸休め」が捉えられたのが大賞です。また、時代を捉えることも大切でしょう。昭和世代にとっては「ミスター」こと長嶋選手の活躍ぶりと憧れは、今でも鮮明な記憶。社長賞は、まさに時代の一句。毎年、箸を通した多くの作品を見ていますが、時代が映された川柳があり、同じテーマでもこんな風に変わっていくんだという文芸のおもしろさを感じています。 十六代尾藤川柳

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