何気ない一句ですが、読んで噛み締めるととても深いものが伝わってきそうです。句の中に「箸休め」という言葉がありますが、目の前に見える客観的な食事における箸休めということを通して、こころの内側の見えない部分である「人生の箸休め」ということが伝わってきます。日常の所作の中に重なった心の世界。さすが大賞ですね。
特別審査員
16代川柳 賞
- 箸と首 長くして待つ備蓄米 静岡県/名月パンダさん(-)
- 令和の米騒動と言われた今年、「備蓄米」の放出は、庶民にとっても米が買える幸せということに気付かされました。瑞穂の国で当たり前だったことが、にわかに不自由さを感じる事も起こり得る現実がここにあります。首だけでなく、箸までも長くなってしまいそうという気分が巧く表現されました。今年は、米絡みの句が多かった中の私の好きな一句です。





